まずは、軽自動車を白ナンバーにするメリットはどこにあるのか?を考えて見ます。
近年発売されている軽自動車は、サイズ、デザイン共に普通車と大きくは変わらない車種が非常に増えてきています。
その筆頭とも呼べるのが「スーパーハイトワゴン」の存在でしょう。
ホンダのN-BOXと対を成して大人気のダイハツ「タント」と、同ダイハツのコンパクトカーである「トール」とを比べてみるとサイズの差が如何にないかが良くわかります。
特に東京など「都会」と比べれば、地方での車の需要はやはり高く、一家に一台ではなく1人に1台というのがほぼ当たり前の状況。そんな中でも軽自動車の需要もやはり高く、ファミリー層のママが2ndカーとして軽自動車を購入するというケースは非常に多いです。
その中でも(若い世代・男性は特に)、軽自動車という響きの時点で、軽自動車を選ぶということを敬遠したり、同様に「黄色いナンバー」という理由だけで敬遠するドライバーの方々が多いのも確かだと思います。
そんな中で、軽自動車でも白ナンバーにできるというのは、車を購入するにあたっての選択肢も増える。
今まで黄色ナンバーに違和感を感じていた方も、それだけで自身の愛車に更なる愛着が湧くわけなので、それだけでも十分なメリットと言えるのではないでしょうか。
社会貢献につながるメリットもある
図柄入りナンバーを選択する際に、最低1,000円から寄付金という形で寄付ができます。寄付をするのとしないのでは、図柄が変わります。寄付有りの場合はカラーの図柄、寄付なしの場合はモノクロの図柄です。
寄付金は道路交通環境整備等に当てられ、「安心、安全で楽しいお出かけができる環境を実現する」といった目的の用途となっています。
他にも環境振興にも当てられ地方を活性化することで、私たちの普段の生活も豊かになるような用途となっていることから、社会貢献の一環としてこれらのナンバープレートを取得するのもよいでしょう。
■軽を白ナンバーにするデメリットは?トラブルは?
メリットの感じ方は人それぞれかもしれませんが、対する「デメリット」についてはどうでしょうか。起こりうるトラブルと合わせて考えてみます。
《画像提供:Response》高速道路の料金所
まず様々な情報が飛び交っていますが、「ETCのゲートをくぐる際、白ナンバーと認識(普通車と認識)されてしまい過剰に料金を取られてしまう」という不安をお持ちの方が多いようですが、これについては、ETCはナンバーの「色」だけで判断しているのではありません。ETC車載機に車両情報などが登録されていて、それを元に普通車か軽自動車かなどを判断しているので、上記のようなトラブルはありませんのでご安心下さい。
逆に言うのであれば、有人の料金所の場合は明らかに軽自動車と判断する要素が今までは黄色いナンバープレート、という点だったため白ナンバーにすることで、普通車としての料金を請求される可能性があります。
《画像提供:Response》ETCカードが突然の不良 損しないための正しいレーン通行方法とは
2017年11月現在、大きなトラブル等は起きてない状況のようです。東北にて普通車の料金を請求されてしまったと言う事例もあるようですが、そういったトラブルも徐々に減っていくでしょう。
強いて言うならば車に詳しく、まだ「軽自動車の白ナンバー」の情報を知らない人から見ると「軽なのに白ナンバー!?」と言うことで好奇の眼差しで見られてしまったり、写真を撮られてしまったりと、目立ちたくない方にとってその点は、デメリットと言えるかもしれません。
白ナンバーに変更する際の注意点
白ナンバーに変更する注意点として、まずは前項に挙げた期限内に申請をすることです。期限の定まっていないものはいいのですが、ラグビーワールドカップや、東京オリンピック・パラリンピックの図柄がよかったと後から後悔しても手に入りません。
また、そのほかに「字光式ナンバー取得不可」、「交換費用が高い」、「交付までの時間が長い」といったデメリットがあるのも知っておくべき注意点です。
軽自動車で白ナンバーを装着することで高速料金が高くなるのでは?と不安に思う方がいるかもしれませんが、それは無いので安心してください。高速料金は車種区分されているので大丈夫です。
今はETCにて通行しているので車両情報が登録されており、一般レーンでの支払いにおいても車種を見て係員の方が清算してくれるので、間違われることはほぼありません。
万一、間違われた場合は、車検証の提示や特別仕様ナンバーの旨をお話しすれば問題ないので安心してください。
■字光式ナンバープレートがない
字光式ナンバーですが、初めて導入されたのは北海道で、発光時の発熱を利用してナンバーに付着した雪を溶かすことが目的で開発したものです。
ワンポイントとして多くのユーザーが取り入れているファッションの一つとして定着していました。
最近では、字光式の光源から発せられるノイズによってセンサーが誤作動する可能性があるため、装着不可とカタログに記載されている車両が増えました。
字光式は、その名のとおりナンバーの文字が発光します。普通乗用車ではグリーンに、軽自動車は文字が黒であることから文字の縁が白色に発光するようになっています。
軽自動車の白ナンバー取得される方で、字光式ナンバープレートを取り付けたいと思う方がいるかもしれませんが、残念ながら軽自動車の白ナンバーにおいて字光式ナンバープレートが用意されていないので、字光式がよければ黄色プレートを選ぶようにしてください。
■通常より交換費用が高い
軽自動車の白色ナンバーは通常のナンバーの発行よりも料金が高いです。
通常の黄色ナンバーの交付手数料は、おおよそ1,500円程度となっています。希望番号を申請する場合は交付手数料が4,000円前後かかります。
それに対し、白色ナンバーは交付手数料が7,000円〜9,000円となっており、通常のナンバーよりも費用がかかることを知っておいてください。
また、ナンバープレートを再発行した場合はETCのセットアップもあわせて必要となるので注意が必要です。
■交付されるまでの時間が長い
白色ナンバーの発行は、交付されるまでの時間が黄色ナンバーに比べて長いのも注意点です。
黄色ナンバーは、発行申請をしてから2〜3日程度で交付されるのに対し、白色ナンバーは10日前後かかります。
すぐ交付されるだろうと思っていると、想定よりも時間がかかるので交付期間を考慮して発行するのをオススメします。
東京オリンピック・パラリンピック ナンバー/ラグビーワールドカップナンバー 申し込み情報 関連リンク
図柄入りナンバーの申込サイトや、申込手続きの方法からナンバープレートが交付されるまでの流れを説明をしている公式ページへのリンクを下記に掲載します。
ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート、東京オリンピック特別仕様ナンバープレート双方の情報詳細、申込情報を公式ページにて確認したい方は下記リンクから確認可能です。
(公式の申込サイトへ移動します)
希望番号についての手続きの流れや注意点を別の記事にまとめて掲載しました。
白ナンバーに変更できない車
ここまで軽自動車の白色ナンバーについて触れてきましたが、すべての車両が発行できるわけではありません。白色ナンバーにできない車は以下のようになっています。
・事業用自動車・レンタカー・駐留軍の車両(車両番号のかな文字「り」「れ」「わ」「A」「B」)
・文字式ナンバー(プレートの文字や数字が光るナンバー)
・分類番号が3桁以外の車両
・旧標板地名のナンバープレート
・小型標板(23cm×12.5cm)
・盗難や紛失などでナンバープレートがない場合
・後面1枚のみの車両(ボートトレーラーなど)
通常通りの自家用車であれば基本白色ナンバーに変更することは可能です。字光式プレートをすでに装着の方は変更できないのですが、字光式から通常ナンバープレートへ変更すれば問題ありません。その際はラインセンスランプの発光をお忘れなく。
最後に
白ナンバーの軽自動車、街でも稀に見かけるようになりましたね。ネットでは寄付金有だと図柄が入ってしまうため、寄付金無しの白ナンバーの方が良い、という声もちらほら。
両大会の図柄入りナンバーの目的が、寄付金を集めるという事だったのであれば、寄付金を入れることで図柄無しのナンバーになるほうが、良かったのでは?と思う今日この頃ですが、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック応援のためにも寄付金有(図柄デザイン有)での検討もしてみて下さい。
軽自動車の白ナンバー取得に関するFAQ
■軽自動車でも白ナンバーを取得できるの?
軽自動車のナンバーの色は黄色と法令で決まっています。しかし、2019年11月まで受け付けていた「ラグビーワールドカップ2019 特別仕様ナンバープレート」と、2021年9月17日(窓口受付の場合)まで申し込める「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」の2種類の特別なナンバープレートは、デザインが普通車と共通の白色になっており、これら2つの特別ナンバープレートの交付を受ければ、軽自動車でも白色のナンバーを取り付ける事が出来ます。
■ラグビーW杯&オリパラナンバー以外に白色ナンバーは無いの?
2018年10月1日から「地方版図柄入りナンバープレート」の交付が始まりました。「地方版図柄入りナンバープレート」は、走る広告塔”として、地域の風景や観光資源を図柄とすることにより、地域の魅力を全国に発信することを目的としたもので、2021年8月現在、58の地域で申請可能となっています。
基本的なナンバープレートのデザインは、普通車と同じ白地をベースとしたものとなっていますが、軽自動車用は縁が黄色くペイントされており、普通車との識別が出来るようになっています。
ラグビーワールドカップ記念や東京オリパラ記念のナンバーのように、普通車と区別がつかないデザインではありませんが、黄色地の軽自動車用ナンバーがお気に召さない方は、交付の申請を検討してみてはいかがでしょうか?