ワーゲンバスとは
バス(1965年型)
ワーゲンバスの正式名称は1950年にフォルクスワーゲンが発売した「トランスポーター」であり、車のカテゴリーとしては商用バンにあたります。見た目が愛らしくユニークでミニバスのように見えることから、ワーゲンバスと呼ばれるようになりました。
一般的にはワーゲンバスと呼ばれていますが、フォルクスワーゲン社内での型式にちなんで「フォルクスワーゲン・タイプ2」と呼ばれる場合もあります。
■日本で最初のワーゲンバスが発売されたのはいつ?
日本で最初にワーゲンバスを販売したのは「ヤナセ」という会社で、1953年に輸入されたことから国内で流通が始まりました。当時、日本国内でもワーゲンバスのユニークな見た目がドライバーの間で話題となり、商機を見出したヤナセが輸入して販売することを決定したという経緯があります。
日本国内でのワーゲンバスのブームは小規模に何度か繰り返されましたが、特に大きなムーブメントが巻き起こった2000年代には、中古車の価格が値上がりしていた時期も見られます。日本で流行した10年後にはヨーロッパでワーゲンバスが人気となり、日本から逆輸入されるほど需要が高まるなど、世界各地で愛されているモデルといえるでしょう。
ワーゲンバスの魅力
バス(1965年型)
ここでは、世界のドライバーが愛するワーゲンバスの魅力をご紹介します。
■どこか懐かしいクラシックなボディ
ワーゲンバスは見た目が愛らしい顔のようにも見えるフォルムが特徴的で、特に「タイプ2」はクラシックなエクステリアやインテリアが日本のドライバーの間で人気を博したといわれています。
インテリア・エクステリア共にどこか懐かしさを感じさせるクラシックなボディに心惹かれる方も多いでしょう。過去に日本国内で大流行した際も、この昔懐かしい風合いに人気が集まって価値が高まっていった面が大きいといえます。
■小型でありながら頑丈
ワーゲンバスの「タイプ2」はインテリアがシートを3列配置できるほどの広さであり、小型でありながら頑丈なボディを持っているのが特徴です。「ボディサイズは小型でも多くの人が乗れる車で、さらに耐久性も高い」という実用性の高さが評価されて人気を獲得していったといえます。
当時は3列配置のシートはまだまだ少なかったとみられ、一度に多くの定員を乗せられる車は特に貴重だったとみられています。
■キャンピングベースカーとして使える利便性
ワーゲンバスは、キャンピングベースカーとしても利用できる利便性の高さも備えています。一見するとボディサイズが大きく見えるワーゲンバスですが、実は小回りの利くコンパクトな点が魅力のひとつです。愛らしい見た目とクラシックなインテリアはキャンプ場に泊まっているだけでも楽しく、所有者の気分を高揚させてくれるでしょう。
見て楽しむだけでなく、実際にキャンプに利用する際にも十分に活躍してくれる実用性の高さも魅力のひとつです。
■内装タイプを自由に選べる
ワーゲンバスは用途に応じてさまざまな内装タイプを自由に選べる点が特徴的です。例えばミニバス仕様の定員は9名ですが、キャンピングカー仕様であれば5~6名、後方座席を荷室として使用するバン仕様では2~3名などドライバーの状況に応じて自由に使い分けられます。
所有者を選ばない使い勝手の良さも、支持を獲得した理由のひとつといえます。
ワーゲンバスを選ぶメリット
メリットは何?
続いて、ワーゲンバスを選ぶメリットについて解説します。
■ワクワク感を得られる
ワーゲンバスの個性的なエンジン音や、ゆったりと風景を楽しみ風を浴びながら走行するワクワク感は、他の車種にはない魅力のひとつといえるでしょう。キャンピングカーとしても使える機能性の高さやユニークな見た目も相まって、ドライバーのモチベーションを高めてくれる一台です。
■他にはない個性をアピールできる
ワーゲンバスは新車とは異なり、中古車しか出回っていない現在ではめずらしい車種です。そのうえにキュートなデザインなので、外を走っているだけで目立ちます。「周りとは違う車に乗りたい」「個性的な車が好きだ」という方にはぴったりの一台といえるでしょう。
また、同じワーゲンバスの愛好家同士や車好きの方と交流が生まれる場合があるなど、車が個性的であるからこその出会いに恵まれる可能性もあります。
■車に愛着を持てる
ワーゲンバスは基本的に自分でメンテナンスをしながら乗る車なので、カスタマイズなどを施しながら手をかけて乗るうちに、車に愛着を持ちやすいというメリットがあります。
車によって個体差が大きい車種のため、最初は操縦に苦労する面もあるかもしれません。しかし乗りこなせるようになるとだんだんとパートナーのようにも感じられて、愛車に対して親しみが深くなっていくのを実感できます。
ワーゲンバスの燃費について
燃費はどう?
ワーゲンバスの燃費はおよそ7km/L前後のものが多く、最近の新車と比べると決して燃費が良いといえる性能ではありません。さらに輸入車であるためハイオクしか給油できない事情も重なり、経済的にはコストパフォーマンスの低い車であるといわざるを得ないでしょう。
また、オイルタンクの容量は普通乗用車の1/2程度しか確保されていないので、2,500km程度の走行距離を目安にオイル交換しなければならないという手間もかかります。とはいえ、自動車税は小型車と同等のランクに位置するため、税金面では決して高くはないといえます。
基本的にワーゲンバスは経済性を期待して乗車する車ではなく、デザインや機能面などが気に入ったドライバーがデメリットも理解したうえで選ぶ車といえるでしょう。
ワーゲンバスの価格は高め
ワーゲンバスはおいくら?
ワーゲンバスは現在新車で発売されている車種がなく、中古車も市場に出回りにくいため、中古車価格は高騰しやすいモデルであるといえます。年式にもよりますが、走行距離などの詳しい情報が揃っていない中古車であっても200万円~500万円程度に収まるものが多いでしょう。
2022年頃には新車が発表されるのではないかという噂もありますが、あくまでも「開発されているのではないか」という噂の段階に過ぎないため、新型の登場を期待している方にとっては今後の情報を待つしかない状況といえます。
まとめ
“バス”搭載のフォルクスワーゲン
ワーゲンバスの魅力や選ぶメリット、価格などについてお伝えしてきました。1950年に発売されてから70年の歴史を誇るワーゲンバスは、コストパフォーマンスが高いとはいえませんが、愛らしく親しみやすい車として今も高い人気を誇っています。
個性的な車やカスタマイズを自在に楽しめる車が好きな方には、おすすめできる一台だといえるでしょう。近い将来には新車が発表されるかもしれないとの噂もありますが、現段階では中古車がワーゲンバスを手に入れる唯一の方法なので、購入を検討される場合は中古車市場をこまめにチェックしてみることをおすすめします。