日産の高級ブランド「インフィニティ」 国際派で魅力的な車たち!
インフィニティ ラインナップ
Infiniti(インフィニティ)という名前をお聞きになったことはあるでしょうか。
なんと、我らが日本の自動車メーカー、日産が展開する高級車ブランドの名前なのです。
導入されていない日本では馴染みがないのですが、世界では名の知れた高級車ブランドとして高い知名度があります。
現在日本国内では、廉価な軽自動車からフラッグシップセダンまで、日産の車は全て「日産」ブランドで販売されていますが、北米をはじめとする海外においては、高級セダンと高級SUVはインフィニティブランドで販売されています。
インフィニティ Q50 オー・ルージュ コンセプト(デトロイトモーターショー2014 出展車両)
例えば、現在では日本向け仕様は独自の進化を遂げているスカイラインは、V型6気筒エンジンを初めて搭載した11代目は元々インフィニティ用の車種として開発された成り立ちを持つとされますが、日本では日産 スカイラインとして販売されたのは有名な話。
もっと昔では、日産 インフィニティQ45という上級車種を日本に導入していたりなど、日本と関わりの深いインフィニティ車もいくつかあるのですが、国内では全て日産ブランドで販売されてきました。
しかし、市場規模などの問題があってか、日本には導入されていない魅力的なインフィニティ車ももちろんたくさんあるのです。
手が届きそうで届かない、海の向こうの特別な車「インフィニティ」のラインナップと魅力をまとめてみました。
インフィニティ 北米での現行ラインナップをまとめました
■【セダン】 インフィニティ Q50
インフィニティ Q50 レッドスポーツ400
日本では日産 スカイラインとして展開されているQ50。日本向けスカイラインも、デビュー当初はインフィニティのエンブレムを装着して販売されるなど、販売戦略がやや迷走している印象もありました。
現在のスカイラインは、日産 GT-R風の大型グリルを持ち、「プロパイロット 2.0」という飛び道具を備えた独自の車に進化していますが、Q50は基本的にマイナーチェンジ前のスカイラインと同等の車です。
インフィニティ Q50 レッドスポーツ400 インテリア
もちろんQ50には、世界でも稀な完全ステアバイワイヤ式の「ダイレクトアダプティブステアリング」や、スカイライン 400Rに相当するQ50「レッドスポーツ400」グレードの設定、新鮮な使い心地の上下2段式ツインディスプレイナビなど、スカイラインと共有される魅力的な特徴も多数あります。
むしろ、Q50 レッドスポーツ400では、スカイライン 400Rには設定のないAWD仕様も選択できるなど、一部スカイラインよりも上位な部分も見られます。
大幅なスタイルチェンジを敢行したスカイラインに比べ、やや古さも感じられるデザインにはなっていますが、インフィニティの主力車種として人気の車種です。
インフィニティ Q50のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 189.6in×71.8in×57.2in | |
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ボディサイズ(メートル法換算・参考値) | 4,815.8mm×1,823.7mm×1,452.9mm | |
ホイールベース | 112.2in | |
ホイールベース(メートル法換算・参考値) | 2,849.9mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 3,998lbs | |
燃費 | EPAコンバインド:22MPG | |
エンジン種類 | V型6気筒ツインターボ 2,997cc | |
エンジン最高出力 | 400hp/6,400rpm | |
エンジン最大トルク | 350lb-ft/1,600-5,200rpm | |
駆動方式 | 全輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | 7速AT | |
新車価格(MSRP) | 57,750米ドル(約612.3万円) |
スカイラインについて詳しく知りたい方はこちら
■【クーペ】 インフィニティ Q60
インフィニティ Q60 レッドスポーツ400
先代スカイラインベースのCV36型を最後に販売を終了したスカイラインクーぺですが、インフィニティでは現行Q50ベースのクーペ、Q60がラインナップされています。
その優美なスタイリングで一斉を風靡したCV35型スカイラインクーペと同様、滑らかなルーフラインを持ち、セダンのQ50と共通イメージながら独自のローアンドワイドなボディパネルを持つQ60のエクステリアデザインは非常に魅力的ですよね。
インフィニティ Q60 レッドスポーツ400
Q60でもセダンのQ50同様、ダイレクトアダプティブステアリングや、ツインターボのレッドスポーツ400が選択でき、走行性能も文句ありません。
日本でのクーペ市場、特に大型クーペの販売規模は非常に小さなものになっているとはいえ、ぜひ新型スカイラインクーペとして導入してほしかったものです。
インフィニティ Q60のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 184.4in×72.8in×54.9in | |
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ボディサイズ(メートル法換算・参考値) | 4,683.8mm×1,849.1mm×1,394.5mm | |
ホイールベース | 112.2in | |
ホイールベース(メートル法換算・参考値) | 2,849.9mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 4,047lbs | |
燃費 | EPAコンバインド:21MPG | |
エンジン種類 | V型6気筒ツインターボ 2,997cc | |
エンジン最高出力 | 400hp/6,400rpm | |
エンジン最大トルク | 350lb-ft/1,600-5,200rpm | |
駆動方式 | 全輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | 7速AT | |
新車価格(MSRP) | 59,150米ドル(約627.2万円) |
■【SUV】 インフィニティ QX50
インフィニティ QX50
見るからに日本でも人気が出そうな中型SUVが、QX50です。2017年の製造開始から、世界的に売れ筋のサイズのSUVということもあって人気があります。
1.9m越えの全幅はやや大きめではありますが、約4.7mの全長と合わせて、爆発的人気を誇るトヨタ ハリアーと同等のボディサイズ。
実は初代QX50は、2009年から2016年の間に日本にも日産 スカイライン クロスオーバーとして導入されていたため、現行となる2代目QX50でも日本導入が期待されていましたが、現在まで実現していません。
インフィニティ QX50
その上、売れ筋のSUVというだけが魅力ではなく、なんと世界初となる可変圧縮比エンジン「VCターボエンジン」を搭載するなど、機能面でも先進的です。
このエンジンは、加速などの高負荷時と巡航などの低負荷時で刻々と変わっていく理想の圧縮比に対し、8:1から14:1の間で無段階に圧縮比を変更できる優れもの。パワフルな走りと、優れた低燃費を両立した、世界トップレベルの技術。
今からでも遅くないので、ぜひ日本へ正規導入してほしいほどの魅力的なSUVとなっています。
インフィニティ QX50のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 184.7in×74.9in×66in | |
---|---|---|
ボディサイズ(メートル法換算・参考値) | 4,691.4mm×1,902.5mm×1,676.4mm | |
ホイールベース | 110.2in | |
ホイールベース(メートル法換算・参考値) | 2,799.1mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 4,178lbs | |
燃費 | EPAコンバインド:25MPG | |
エンジン種類 | 直列4気筒VCターボ 2.0L | |
エンジン最高出力 | 268hp/5,600rpm | |
エンジン最大トルク | 280lb-ft/1,600-4,800rpm | |
駆動方式 | 全輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格(MSRP) | 56,850米ドル(約602.8万円) |
■【SUV】 インフィニティ QX60
インフィニティ QX60
先ほどご紹介したQX50よりも一回り大きく、3列シートを備えたSUVがQX60です。
QX60は当初JXという車名で2012年に登場しておりかなりの長寿モデル。そこかしこで旧態化が著しくなってきてはいますが、3列目頭上まで伸びるパノラミックムーンルーフや、ハンズフリーテールゲートなどの便利装備を備えており、使い勝手の良いSUVとなっています。
インフィニティ QX60 モノグラフ コンセプト
SUVとはいえエンジン排気量ではダウンサイズ傾向が世界的に続いていますが、QX60は現在では大きめといえる3.5リッター V型6気筒を搭載。効率の良い回転数を使い切れる日産お得意のCVTとの組み合わせです。
しかし、2020年9月に新型のコンセプトモデル「QX60 モノグラフ」が公開済で、現行型を手にできるチャンスはあまり長くはなさそうです。
弟分のQX50譲りのアグレッシブさを備えつつ、現行モデルのエレガントさも感じられるQX60 モノグラフのスタイリングは魅力的ですね。新型モデルでも、発売の折にはヒットが予想されます。
インフィニティ QX60のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 200.6in×77.2in×68.8in | |
---|---|---|
ボディサイズ(メートル法換算・参考値) | 5,095.2mm×1,960.9mm×1,747.5mm | |
ホイールベース | 114.2in | |
ホイールベース(メートル法換算・参考値) | 2,900.7mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 4,551.6lbs | |
燃費 | EPAコンバインド:22MPG | |
エンジン種類 | V型6気筒 3.5L | |
エンジン最高出力 | 295hp/6,400rpm | |
エンジン最大トルク | 270lb-ft/4,800rpm | |
駆動方式 | 全輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格(MSRP) | 48,150米ドル(約510.5万円) |
■【SUV】 インフィニティ QX80
インフィニティ QX80
まるでベヒーモスという巨大サイズのSUV「QX80」は、現在のスタイリングになったのは2017年とはいえ、車両のデビュー自体は2010年と、既に10年目に突入している高級クロカン四駆。
日本では販売が終了しているフルサイズクロカン車「日産 サファリ」をベースに高級化したQX80の成り立ちは、トヨタ ランドクルーザーに対するレクサス LX570の関係にも似ていますね。
サファリについて詳しく知りたい方はこちら
インフィニティ QX80
広々とした室内を活かし、8人乗りまで選択できるQX80は、搭載するエンジンも5.6リッター V型8気筒の本格派。
北米市場で重要視される牽引能力も8,500ポンド(約3.86トン)と充分な数値を有しており、インフィニティのフラッグシップに相応しい余裕と高級感を兼ね備えています。
インフィニティ QX80のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 210.2in×79.9in×75.8in | |
---|---|---|
ボディサイズ(メートル法換算・参考値) | 5,339.1mm×2,029.5mm×1,925.3mm | |
ホイールベース | 121.1in | |
ホイールベース(メートル法換算・参考値) | 3,075.9mm | |
最大乗車定員 | 8名 | |
車両重量 | 5,813lbs | |
燃費 | EPAコンバインド:15MPG | |
エンジン種類 | V型8気筒 5.6L | |
エンジン最高出力 | 400hp/5,800rpm | |
エンジン最大トルク | 413lb-ft/4,000rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | 7速AT | |
新車価格(MSRP) | 57,750米ドル(約612.3万円) |
過去モデルには知った顔も?インフィニティ お馴染み車種まとめ
インフィニティ M45 コンセプト(ニューヨークモーターショー2004 出展車両)
ここまでは現行モデルをご紹介してきましたが、我らが日産の海外ブランドという親近感もあり、過去のインフィニティ車には日本とのつながりの強いものもいくつかありました。
代表的な車種をご紹介します。
■インフィニティ Q45:日本でもインフィニティの名前を知らしめた
日産 インフィニティQ45
1989年、インフィニティ部門の北米立ち上げとともに販売されたフラッグシップカーが、Q45でした。
当時、日産の国内市場におけるオーナーカー最高峰はシーマがあり、「シーマ現象」を巻き起こすほどの人気を誇っていましたが、さらに上級なモデルとしてこのQ45を国内投入。
インフィニティブランド自体は日本に存在していませんでしたので、車名は「日産 インフィニティQ45」とやや長めのものが与えられました。
グリルレスで七宝焼エンブレムを据え付けた無表情なフロントや、日本らしい漆塗り仕上げの内装を用意するなど従来の高級車像を打ち壊したインフィニティQ45は、4.5リッター V型8気筒エンジンを搭載するなど性能面でも特出。
カルト的な人気を誇りましたが、海外向け2代目Q45からはシーマと統合され、1代のみで日本から姿を消しました。
■インフィニティ FX:時代先取りのクーペSUVは並行輸入が大人気!
インフィニティ FX50
現在でこそひとつのボディスタイルとして定着した感もある「クーペSUV」の先駆けの一つが、インフィニティ FXでしょう。
サイドウィンドウの描く優美な曲線はまさにクーペそのものの絞り込みの効いたキャビン、睨みを効かせる小型のヘッドライトとテールライトを持つスポーティなエクステリアと、V6/V8エンジンの力強い走行性能を組み合わせたFXは、登場するやいなや大人気車種へと上り詰めました。
その魅力は海を越えて日本にまで伝わり、国内に北米仕様車などを並行輸入する好き者のオーナーが続出したほど。現在でも日本の路上を元気に走り回るFXの姿を時折見かけますよね。
2代目FXはモデルライフ途中でQX70へと改名したのち、北米市場では販売終了していますが、その魅力と高まり続けるSUV人気を背景に、復活が望まれている車種です。
インフィニティに日本で乗りたい!方法はあるの?
インフィニティ QX50
さて、ここまでご紹介してきたインフィニティのラインナップは、日本で乗っても楽しめそうな魅力たっぷりの車種ばかりですよね。
残念ながらインフィニティブランドの日本展開は非常に考えにくい状況となっていますが、インフィニティの車を日本で手に入れる方法はいくつかあります。
詳しくご紹介していきます。
■1. 並行輸入の在庫車を探す/輸入を依頼する
インフィニティ QX50 インテリア
これまで一般的な手法だったのが、並行輸入車を取り扱うショップで購入すること。
新車の輸入を取り扱うショップもありますし、もちろん予算の都合上や廃止モデルをこだわって乗りたい場合などは中古車を輸入してくれるショップもあることでしょう。
自動車という大型・重量のある物を運ぶわけですので、ネットショッピングのように即座に配送、とはいかず、やや納期は長め、輸入費用もかさみがちですが、日本国内でのインフィニティ車の稀少性を思えば甘んじて受ける!という方も多いのでは。
インフィニティは1989年ブランド開業と歴史が長いこともありますので、並行輸入された車は、中古車市場でも容易に見つけることができます。
お好みの仕様にこだわって新たに輸入するもよし、日本国内で中古車をじっくり探すもよし。インフィニティ車を国内で手に入れるハードルは、意外と低めとなっています。