BMW X5の完璧なパッケージは、高級SUVの最適解かも
BMW X5(海外仕様車)
不思議なもので、ちょっと前まで「高級SUV」という言葉は一部のニッチ向け商品でしかなかったのに、今や世界中の自動車メーカーがリリースする数多くの高級SUVが世界中を闊歩しているという状況になっていますね。
そんな高級SUVの世界において、BMWらしいキャラクター性を活かしつつ、惜しみない豪華装備で群を抜く高級感を実現しているのが、「X5」です。
現在ではさらに大型・上級のX7という兄貴分が存在していますが、以前はBMWのSUVラインナップ「Xシリーズ」のフラッグシップ車だったX5。
堂々たるボディに余裕のあるパワー、仕立ての良いインテリアと、高級車として求められる要素をすべて満たしてくれるようなトータルパッケージっぷりが特徴的です。
そんなX5の魅力を、簡単にまとめてみました。
■X5の魅力:SUVらしい大迫力のエクステリアデザイン
BMW X5 M コンペティション(海外仕様車)
なんと全幅で2m超、全高で約1.8m、全長でも5mに迫ろうかという大柄なボディが特徴的なX5は、たとえ停まっているだけでも迫力のある存在感を周囲に振りまいています。
現行型となる4代目では、これまで以上に押し出しの強められた複雑なフォルムが持ち味。たとえば新たに左右が一体の造形となったキドニーグリルは、単体で見るともはや驚くほどの大きさなのですが、X5のボディ全体で見るとそこまで飛び抜けた大きさに思えなくなってくるから不思議ですね。
BMWらしく、ライトデザインなどのディテール処理にも抜かりがない点が嬉しいところ。LEDヘッドライト内部では「X」モチーフの造形が見られたり、BMWの定番デザインだったL字型のテールランプを止め、均一に光る輝きが美しい矩形のテールランプを新たに採用しているなど、細やかな部分までデザインが行き届いているX5は、眺めているだけでも飽きませんね。
■X5の魅力:7人乗りまで選べる余裕と高級感のインテリア
BMW X5(海外仕様車) インテリア
そんな迫力のボディを持つだけに、室内の余裕はもはやサルーンを大幅に超えており、それでいて非常に高級感のある仕上がりとなっている点が、X5が上級車種たる証でしょう。
近年のBMWのデザインに沿った、ボタン数が減らされたミニマルかつ機能的なダッシュボードは非常に魅力的ですし、たっぷりとしたサイズのシートはなんとマッサージ機能まで用意されるハイエンドっぷりです。
アンビエントライトやフットウェルライトまで全車で標準装備された室内は、昼間だけでなく夜のドライブも特別な空間を演出できそうです。乗り心地の良さや静粛性の高さも相まって、ちょっとしたリムジンのような非日常感すら味わえそうですね。
さらに、そんな余裕のある室内空間を活かし、オプションで3列目シートの装着も可能な点も、X5の特徴のひとつ。さすがに3列目席までリムジンの足元空間、とはいきませんが、それでも7人乗り仕様が選べる点は、いざというときのユーティリティ性を考えれば嬉しいところですよね。
■X5の魅力:これぞ最新技術!ハンズオフドライブなどの先進装備
BMW X5 M50i(海外仕様車) メーターパネル
BMWが日本初として実現した「高速道路渋滞時ハンズ・オフ・アシスト」は、X5にも全車標準装備されています。これは高速道路走行中に一定の条件下で車両がステアリング・アクセル・ブレーキまで自動的に操作してくれるもので、これまで一般的だったステアリングホイールに手を添えておく必要すら無くなった革新的なシステムとなっています。
ドライバーによる前方の注視は依然として必要ではありますが、体力を使う渋滞時でもかなりリラックスして運転することができ、ドライバーの負荷を大幅に低減することでより安全運転にもつながりそうな先進装備です。
さらに、かなり大柄なボディの持ち主だけに嬉しい機能が、35km/h以下での直近50mの運転軌跡を車両が自動的に記憶してくれており、車任せで後退することができる「リバース・アシスト」。こちらも操作は車任せで、ドライバーは周囲の安全確認に専念できるので安全性が増す、うれしい機能となっています。
メーターパネルが12.3インチのディスプレイになっており、表示内容の細かなカスタマイズが可能な点など、近年のBMWの高級車として定番の装備の数々がもちろん備わっている先進性の高さは、X5の魅力の一つでしょう。
■X5の魅力:オフでもオンでも余裕を見せつけるハイパフォーマンス
BMW X5(海外仕様車)
実際にオフロードにX5を持ち込むオーナーがどれほどいるかは分かりませんが、X5はSUVらしく悪路での走行安定性もしっかりと確保。xDriveはもちろん、ヒルディセントコントロールなどの便利装備も全車標準装備となっており、いざ悪路が目の前に現れても、リラックスして運転できそうです。
そして、BMWのXシリーズとして定番のオンロードでの優れた動力性能ももちろん継承。パワフルさが嬉しいエンジンと8速ATの組み合わせは高級車に相応しい余裕と伸びやかな加速を実現しますし、前輪がダブルウィッシュボーン、後輪がマルチリンクのサスペンションはコーナリングも大得意です。
一部グレードへのオプション装備とはなりますが、前後輪統合制御ステアリングシステムである「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」や「4輪アダプティブ・エア・サスペンション」などを選択することもでき、低速域で驚くほどの最小回転半径の小ささや、さらに上質な乗り心地を実現できます。
もはや要人の移動車両としてサルーン的に扱われることも多い高級SUVの一員として、クラス標準を超えた優れた乗り心地を実現できることでしょう。
BMW X5のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,935mm×2,005mm×1,770mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,975mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,180kg | |
燃費 | WLTCモード:11.7km/L | |
エンジン種類 | 直列6気筒ディーゼルターボ 2,992cc | |
エンジン最高出力 | 195kW(265PS)/4,000rpm | |
エンジン最大トルク | 620N・m(63.2kg・m)/2,000-2,500rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 8,527,273円(消費税抜き) |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,935mm×2,005mm×1,770mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,975mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,500kg | |
ハイブリッド燃費 | WLTCモード:10.3km/L | |
等価EVレンジ | WLTCモード:79.2km | |
電力量消費率 | WLTCモード:3.07km/kWh | |
エンジン種類 | 直列6気筒ガソリンプラグインハイブリッド 2,997cc | |
エンジン最高出力 | 210kW(286PS)/5,000rpm | |
エンジン最大トルク | 450N・m(45.9kg・m)/1,500-3,500rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 83kW(113PS)/3,170rpm | |
モーター最大トルク | 265N・m(27.0kg・m)/1,500rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 9,345,455円(消費税抜き) |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,955mm×2,015mm×1,770mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,970mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,400kg | |
燃費 | WLTCモード:7.4km/L | |
エンジン種類 | V型8気筒ガソリンツインターボ 4,394cc | |
エンジン最高出力 | 460kW(625PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 750N・m(76.5kg・m)/1,800-5,860rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 16,900,000円(消費税抜き) |
BMW X5、2020年最新情報!
■X5 Mが導入開始!ハードコアな「M コンペティション」仕様
BMW X5 M コンペティション(海外仕様車)
2020年3月、先行して欧州などで発表されていた究極のX5、「X5 M」の国内受注が開始されました。
国内に導入されるX5 Mは、最もハードコアな仕様である「X5 M コンペティション」モデルとなっており、4.4リッター V型8気筒ガソリンツインターボエンジンはなんと625PSという出力を誇るカリカリのスポーツエンジン。
もとより巨体の上にエンジンが大きくなったことなどもあり、X5 M コンペティションはX5ライン中でも重めの2.4トンという車両重量。にもかかわらず、0-100km/h加速はなんと3.8秒を達成しているとのことで、もはやスーパースポーツ的な領域にまで到達しているかのような暴力的な動力性能が魅力的です。
もちろんBMWの誇るMブランドの車ですので、直線番長なだけでなく、BMW M社が開発したインテリジェント四輪駆動システム「M xDrive」による最適なトラクション性能や、アクティブMディファレンシャルなどの特別装備で、サーキットでも破綻することなく走り切ってしまう点も痛快ですね。
さらに、カリカリのスポーツモデルでありながらX5の頂点としての性格づけもされており、ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能などの先進機能も満載されているX5 M。一握りのオーナーだけが体験できる究極の世界となっています。
■プラグインハイブリッドモデル「xDrive45e」の導入開始
BMW X5 xDrive45e(海外仕様車)
2019年12月には、X5として2世代目となるプラグインハイブリッドシステム搭載のグレード「xDrive45e」が新たに追加されました。
先代となる3代目X5に設定されていたプラグインハイブリッドは、BMWとして初のプラグインハイブリッドということもあり走行距離などはあまり実用的でない面もありましたが、新型モデルは使い勝手を大幅に向上。
搭載するリチウムイオンバッテリーの容量が先代の26Ahから68Ahまで増加するなどしており、EV走行レンジは約80kmと十分な距離を確保することに成功しているほか、システム出力で394PSのハイパワーさも自慢のひとつです。
なんと電気モーターだけを利用したゼロエミッション走行であっても最大135km/hまでの加速が可能な点などは、普段使いから静かで落ち着いたEV走行を積極的に使えそうな実用性の高さがあることがわかりますね。
■待望のフルEV仕様はなんとX5から決別!新型EV「iX」
BMW iX
弟分であるX3のフルEV仕様では、車名が「iX3」と変えられてはいましたが車両としてはX3の派生車種であり、外観上はバンパー類などの差別化に留まっていたことから、X5クラスのEVモデルも「iX5」と呼ばれることが予測されてきました。
しかし、2020年11月についに発表されたその車は「iX」という車名になり、X5の派生車種ではなくスタンドアロンのEVとなりました。
サイズ的にはX5と同等で、X5と同様にBMWの「CLARプラットフォーム」をベースとしているとのことですが、電気自動車向けに新開発されたシャシー構造を採用しており、アルミスペースフレーム構造とカーボンケージによる軽量化と高剛性の両立がポイントとのこと。
市販時のスペックなど詳細はまだ発表されてはいませんが、なんと2基のモーターを合わせて500PS以上の出力と、600km以上の走行レンジを実現するとのことで、より詳細な情報の発表と、その先の発売開始が待たれますね。
BMW X5 新車価格まとめ
BMW X5(海外仕様車) 荷室
2020年11月現在のX5の税抜き新車価格は、最も廉価なグレードであるxDrive35dの852万円から、最も高価なグレードであるX5 M コンペティションの1,690万円までの価格帯となっています。
なんとX5 Mは最廉価グレードが2台買えてしまいそうなほど高価に設定されていますが、もう少し現実的なグレードとしては、通常モデルのX5の最上級グレードであるM50iの1,237万円が適当かもしれませんね。
最も廉価とはいえ、xDrive35dでも1,000万円近い価格が設定されているだけあって標準装備は非常に充実しており、どちらも12.3インチのマルチディスプレイメーターパネルとワイドコントロールディスプレイや3ゾーンオートマチックエアコンディショナーが全車で標準装備となっているなど、高級車らしい装備は揃っているのが魅力的。
もちろん、Mスポーツトリムやプラグインハイブリッド仕様のxDrive45e、標準ラインの頂点であるM50iでしか選べない装備も少なくないので、どんな装備が必要なのか、先にある程度決めておくとスムーズにグレード選びができそうですね。
BMW X5(海外仕様車)
まとめ
BMW X5(海外仕様車)
BMWの大型SUV「X5」の魅力についてご紹介してきました。X5はもはや高級SUVの定番の一台と化している感もありますが、そんな人気も納得していただけたのではないでしょうか。
高級感も非常にあり、動力性能も優れ、悪路も安心して走れる。数多あるSUVの中でもずば抜けた万能性を持つX5は、これからもBMWのSUVのイメージを牽引していくこと間違いなし。同クラスに設定されたフルEVのiXと共に、これからの進化にも期待したいところです。