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オールシーズンタイヤは雪道や凍結路面に強い?オールシーズンタイヤ購入検討前に確認するべきポイントを解説

オールシーズンタイヤは雪道や凍結路面に強い?オールシーズンタイヤ購入検討前に確認するべきポイントを解説

冬のドライブでは、路面凍結や積雪によるスリップの危険性が気になるものです。しかし、スタッドレスタイヤやチェーンの装着は費用や手間がかかり、タイヤ交換の頻度も増えるため、負担に感じる方も多いのではないでしょうか。そこで注目されるのが「オールシーズンタイヤ」。オールシーズンタイヤは、名前の通り一年を通して使用可能で、夏タイヤと冬タイヤの中間的な性能を持つのが特徴です。この記事では、オールシーズンタイヤの購入を検討されている方に向けて、オールシーズンタイヤの雪道や凍結路面への適応性について解説します。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


オールシーズンタイヤとは

《画像提供:Response》《撮影 雪岡直樹》 グッドイヤー オールシーズンタイヤ試乗会

オールシーズンタイヤは、夏タイヤと冬タイヤの特性を組み合わせたハイブリッドなタイヤです。路面温度が高い夏の乾いた道路から、冬の少量の積雪や軽い凍結まで対応可能な設計になっており、年間を通じてタイヤ交換の必要がない点が最大の魅力です。

通常のサマータイヤは高温時のグリップ性能に優れており、冬の路面状況には対応しきれません。一方、スタッドレスタイヤは低温時の柔軟性と雪道での制動力を発揮しますが、暖かい季節では摩耗が早くなるという欠点があります。

オールシーズンタイヤは、この両者の中間に位置し、さまざまな天候や路面条件に適応することを目指して設計されています。

さらに、多くのオールシーズンタイヤには「M+S(マッドアンドスノー)」や「スノーフレークマーク」といった冬用タイヤの認証が付いている場合もあり、特定の冬季条件での使用が認められています。ただし、これが必ずしも全ての冬の道路状況に適しているわけではないため、注意が必要です。

オールシーズンタイヤで雪道は走れる?

《画像提供:Response》雪道

オールシーズンタイヤは軽い積雪や湿った雪が路面に残るような状況には対応可能です。しかし、深い雪道やアイスバーンのような厳しい冬の条件では性能が制限される場合があります。

これにはタイヤのトレッドデザインやゴムの特性が関係しています。

オールシーズンタイヤのトレッドパターンには、雪を掴むための溝やブロックが配置されています。これにより、浅い雪道では一定のグリップを発揮できます。ただし、深い雪ではタイヤの溝が埋まってしまい、空転やスリップが起こりやすくなります。

また、タイヤ表面に設けられた「サイプ」と呼ばれる細かい切れ込みも、雪道での性能に影響します。これらのサイプは、雪を掴んで制動力を高める役割を果たしますが、スタッドレスタイヤほどの密度ではありません。そのため、急勾配の坂道や凍結した交差点での発進時には、スタッドレスタイヤに比べて劣る場合があります。

オールシーズンタイヤは凍結した路面に強い?

《画像提供:Response》凍結路

オールシーズンタイヤが凍結路面でどれほどの性能を発揮するのかは、タイヤのゴム質やトレッドパターンに大きく左右されます。

一般的なサマータイヤと比較すると、凍結した路面でも一定のグリップ力を保つことができるよう設計されていますが、スタッドレスタイヤほどの氷上性能は期待できません。

例えば、オールシーズンタイヤには低温下でも硬くなりにくいゴムが使用されており、これが凍結路面でのトラクション性能を向上させています。また、トレッドパターンには積雪を排除しやすいデザインが採用されており、軽度の凍結や圧雪状態の道路での走行に適しています。

ただし、完全な氷結路やブラックアイスと呼ばれる見えにくい凍結状況の路面では、オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤほどの性能を発揮することができません。

具体例として、凍結路面での制動距離を比べるテストでは、スタッドレスタイヤが約30メートルで停止できる状況で、オールシーズンタイヤは約50メートルかかるという結果も。この差は、急ブレーキが必要な場面で致命的な影響を及ぼす可能性があるため、使用環境に応じた選択が重要です。

路面が凍結しにくい地域ならオールシーズンタイヤも選択肢に

《画像提供:Response》《撮影 小林岳夫》 Vector 4seasons Hybrid(ベクター フォーシーズンズ)と伊藤 梓 氏

雪道や凍結路面では十分な性能が発揮できないオールシーズンタイヤですが、関東地方や関西地方などの都市部のような、雪が降ったとしても積雪が少なく、路面がアイスバーン状態になる頻度が比較的低い地域においては十分な選択肢になります。

オールシーズンタイヤのメリットとして挙げられるのは、何といってもタイヤ交換の手間が不要な点。冬用タイヤへの交換が必要ないため、タイヤ保管のスペースが限られている方にとっては特におすすめです。

また、突然の天候変化にも対応できるため、雪が予想外に降った場合でも一定の安全性を保つことができます。

ただし、気温が急激に下がることがある地域や、標高の高い山間部に頻繁に行く場合は注意が必要です。オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤほどの氷雪性能を持たないため、急な凍結や積雪に対応しきれないことがあります。

こうした場合に備えて、オールシーズンタイヤを装着する以外にも、タイヤチェーンを携行しておくのがよいでしょう。

カーチューンタイヤでオールシーズンタイヤを探す

オールシーズンタイヤ購入検討の際に確認しておくべきこと

《画像提供:Response》《撮影 小林岳夫》 冬用タイヤ規制でも走行可能な「スノーフレークマーク」

オールシーズンタイヤを選ぶ際には、適切な製品を選ぶためのポイントがあります。ここでは、オールシーズンタイヤを選ぶうえで押さえておきたいポイントを紹介します。

「M+S(マッドアンドスノー)」と「スノーフレークマーク」

「M+S(マッドアンドスノー)」は、タイヤが泥濘(でいねい)や軽い雪に対応可能であることを示す表示のこと。一方、「スノーフレークマーク」は、厳しい冬の条件で使用可能な性能を持つことをさらに厳格に認証したものです。

この2つのマークが付いているオールシーズンタイヤであれば、雪道や軽い凍結路面にもある程度は対応できます。

具体的には、「M+S(マッドアンドスノー)」のみのタイヤは湿った雪や泥濘に強い性能を持っていますが、凍結した路面やアイスバーンではその効果が限定的です。一方で、「スノーフレークマーク」が付いたタイヤは、厳しい寒冷地でも一定のグリップ性能を保つよう設計されています。そのため、冬季の使用を前提とする場合は、スノーフレークマーク付きのタイヤを選ぶのがおすすめです。

ただし、これらのタイヤであっても、スタッドレスタイヤほどの氷上性能は期待できません。特に急な降雪や凍結が頻発する地域では、オールシーズンタイヤだけでは安全を確保しきれない場合があります。そのため、購入時には自分の住む地域や使用環境を十分に考慮して検討することが大切です。

カーチューンタイヤでオールシーズンタイヤを探す

チェーン規制がかかっている場所ではチェーンの装着必須

大雪や積雪時に特定の道路区間では「タイヤチェーン規制」がかかる場合があります。この際、どのようなタイヤを装着していても、チェーンがなければ通行できません。

特に、高速道路や急勾配の山間部では、チェーン規制が実施される頻度が高くなります。たとえスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを装着していても、規制区間ではチェーンが必須となるため注意が必要です。

オールシーズンタイヤを装着している場合は、軽量で装着が簡単なチェーンを選びましょう。また、チェーンのサイズや取り付け方法を事前に確認し、スムーズに装着できるよう事前に練習しておくことも重要です。

タイヤチェーンおすすめ10選!女性も簡単に装着できるタイプまで網羅 | カーナリズム

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雪道や凍結した路面の走行ならスタッドレスタイヤを

スタッドレスタイヤ

雪道や凍結した路面の走行ならスタッドレスタイヤを

厳しい冬の道路状況では、スタッドレスタイヤが最も信頼できる選択肢です。特に、氷点下の気温で発生するブラックアイスや圧雪、深い積雪など、オールシーズンタイヤでは対応しきれない環境で走行する場合には、スタッドレスタイヤを選ぶようにしましょう。

スタッドレスタイヤの氷雪性能とその仕組み

スタッドレスタイヤの氷雪性能は、主にトレッドゴムとパターンデザインに依存しています。ゴムは低温環境でも硬化しない特性を持ち、これが凍結路面での摩擦力を高めます。

一方、トレッドパターンは圧雪や氷をしっかり掴むように設計されており、雪を効果的に排出する溝や、氷上での滑りを防ぐ特殊なサイプが配置されています。

スタッドレスタイヤは氷の表面にある薄い水膜を効果的に除去することで、タイヤと氷との密着度を高め、滑りにくさを実現しており、実際のテストでも、凍結した路面での制動距離がスタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤで大きく異なることが確認されています。

スタッドレスタイヤの選び方と注意点

スタッドレスタイヤを選ぶ際には、以下のポイントをしっかり押さえることで、冬季の安全性を確保しながら長く快適に使用することができます。

地域の気候条件を考慮する

スタッドレスタイヤは、使用する地域の気候に応じた性能を持った商品を選びましょう。

例えば、北海道や東北地方のような厳寒地では、氷上性能に特化したモデルを選ぶことが推奨されます。これらのモデルは、特に凍結した路面やアイスバーンでの制動性能が高く設計されています。

一方、関東や関西の都市部のように、積雪が少なく路面が湿雪やシャーベット状になることが多い地域では、排水性の良いパターンを持つタイヤが適しています。

ゴムの柔らかさと寿命を確認する

スタッドレスタイヤは、低温下でも柔軟性を保つ特殊なゴムで作られていますが、この性能は経年劣化により低下します。

一般的には、製造から3~4年を経過すると、ゴムが硬化し始め、氷雪性能が著しく低下する可能性があります。購入時には、製造年を示す「製造年週番号」を確認し、新しいゴムを使用しているタイヤを選びましょう。

また、タイヤの溝の深さも重要です。溝が浅くなると排雪性能やグリップ力が低下するため、中古のスタッドレスタイヤを購入する場合は特に、溝の深さが十分であることを確認するようにしましょう。

自分の車種に適したサイズを選ぶ

スタッドレスタイヤは車種ごとに推奨サイズが異なります。

タイヤの幅、外径、ホイールサイズが自分の車に適合していない場合、性能が発揮できないだけでなく、危険な状況を引き起こすこともありますので、車両の取扱説明書や、タイヤメーカーが提供する適合表を参照して、自分の車に合ったサイズを選びましょう。

購入後のメンテナンスを怠らない

スタッドレスタイヤは、購入後のメンテナンスも重要です。定期的にタイヤの空気圧をチェックし、適切な圧力を保つことで性能を最大限に発揮できます。

また、走行中に偏った摩耗が発生しないよう、前後左右のタイヤを定期的にローテーションすることもおすすめです。

冬が終わったら、タイヤは清潔な状態で直射日光を避けた乾燥した場所に保管しましょう。適切な保管方法を取らないと、ゴムの劣化が進行し、次のシーズンに使用できなくなる可能性があります。

スタッドレスタイヤの保管方法は?洗浄方法や保管サービスまで解説! | カーナリズム

https://matome.response.jp/articles/6038

スタッドレスタイヤは雪道や凍結路での安全な走行に必要不可欠です。ただ、積雪の多い地域であっても、ノーマルタイヤよりスタッドレスタイヤの使用期間は短いものです。一年のうち限られた期間しか使わないスタッドレスタイヤですが、大きくてかさばるタイヤを保管したり手入れしたりするのは一苦労。しかし、使いっぱなしではあっというまに寿命を迎えてしまうことも。できるだけ長持ちさせるためには、どうすればよいのでしょうか。

カーチューンタイヤでスタッドレスタイヤを探す

まとめ

《画像提供:Response》《写真撮影 郡大二郎》 【ヨコハマ アイスガード7 試乗】

タイヤの選択は、冬の安全運転を左右する重要な要素です。オールシーズンタイヤは、路面の凍結頻度が少ない都市部や、除雪が行き届いている地域での使用に適しています。一方、雪道や厳しい冬の道路状況に対応する必要がある場合には、スタッドレスタイヤが最適です。

オールシーズンタイヤはタイヤ交換の手間を省ける利便性があり、都市部での普段使いに適しています。一方、スタッドレスタイヤは、氷雪路面での安全性を最優先に設計されており、急なブレーキや坂道での発進時にも安心です。

ご自身が住んでいる地域の気候や走行ルートの条件を十分に考慮して、最適なタイヤを選び、快適で安全な冬のカーライフを楽しんでください。

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