【豆知識】知っておくと役立つ?軽トラックのキホン!
田舎ではもちろん、都会でもたまに見かける軽トラ
■販売されている軽トラックの車種の数は?
まず押さえておきたい軽トラックの基本事項としては、日本の自動車メーカーが販売している軽トラックの車種の数です。現在販売されている軽トラックをまとめると、次の8台が販売されています。
※2019年9月時点
日本の軽トラ一覧
②日産 NT100 クリッパー
③三菱 ミニキャブ トラック
④マツダ スクラム トラック
⑤スバル サンバー トラック
⑥ダイハツ ハイゼット トラック
⑦ホンダ アクティ トラック
⑧スズキ キャリイ
※キャリイのラージキャブ仕様の派生モデル、スーパーキャリイについては、キャリイに含まれているため今回は省略しております(スズキのカタログ参照)
主要な自動車メーカーそれぞれが軽トラックのラインアップを持っていることになりますが、ホンダ・スズキ・ダイハツの3社をのぞいて全てOEMでの販売になることは覚えておきましょう
(詳細は後述)。
なお同一車名のものを合算して集計した2019年9月時点の販売台数データによると、現在56種類の軽自動車が新車で販売されています。
そのうち8台が上述した軽トラックですので、軽トラックは現行軽自動車の1/7、つまり約14%を締めているということになりますね。
ちなみに最も多いのは乗用の33車種となっています。
2019年9月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報 – 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会
https://www.zenkeijikyo.or.jp/statistics/tushokaku-4625一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の公式webサイトです。
販売されている軽トラックを画像でチェック
トヨタ ピクシストラック
トヨタ ピクシストラック
日産 NT100 クリッパー
NT100 クリッパー
三菱 ミニキャブ トラック
ミニキャブ トラック
マツダ スクラムトラック
スクラムトラック
ダイハツ サンバー トラック
サンバー トラック
ダイハツ ハイゼットトラック
ハイゼットトラック
ホンダ アクティ トラック
アクティ トラック
スズキ キャリイ
キャリイ
■メーカー自ら軽トラを製造しているのは3車種のみ
先ほど述べたように、メーカー自らが軽トラックを製造しているのはホンダ・スズキ・ダイハツの3社のみです。それ以外のメーカーはOEMでこれら3台のうちどれかを、名称(そしてエンブレムなど)を変更して販売していることとなります。
モデル車種ごとにOEM車両をまとめると、次の通りです。
ホンダ アクティ:無し
スズキ キャリイ:NT100 クリッパー、ミニキャブ トラック、マツダ スクラム トラック
ダイハツ ハイゼット トラック:トヨタ ピクシス トラック、サンバー トラック
なんとホンダ アクティはOEM供給していないのです。OEMモデルとしての実績が多いのはスズキ キャリイであることがわかります。
以上のことから今回の軽トラック比較において、OEM車両についてはデザインおよび価格帯についてのみ比較することとし、ボディサイズやパワーユニットならびに快適性・利便性などについてはアクティ、キャリイ、ハイゼットトラックで比較することとします。
購入検討!軽トラックを比較するときに、おさえておきたいポイントは?
軽トラを購入しよう!と思い立った時、どういった点に注意すべきなのでしょうか。
ここでは、気を付けるべき点に注目してまとめています。
※情報は2019年9月現在のものです。
■車内の居住性
軽トラックを見たことがある人・乗ったことある人であれば、軽トラックの車内の居住性は基本的に低いということは何となく想像できるかと思います。
リクライニングはほぼ不可能、2人乗りの車内のため横になって寝ることも難しいですし、2人乗って移動するとなると車内は結構狭いです。
しかし、車種によってはその辺りにも対応したグレードを用意しているため、今回は要チェック項目とします。
また、室内の広さ、リクライニングの可否もチェック項目としています。
■荷室サイズ
スズキ スーパーキャリイ X、荷台フロア長
荷室サイズは軽トラックの主な用途に照らし合わせれば、最も重要な装備であり要素です。
軽自動車規格に押さえて作られていますので、荷室サイズも押さえて設計されています。できるだけたくさん荷物を積みたいユーザーの場合、荷室が広い・高いに越したことはありません。
ここでは、荷室長・荷室幅・荷室高を比較します。
■パワーユニット
こういった比較の場合、軽自動車といっても車である以上にはパワーユニットのスペックも比較する必要もあります。
車両重量や重量配分が影響するとしても、搭載されているエンジンやトランスミッションのスペックはどうなっているのかを理解して購入時の参考材料にしたいところです。
余談ですが、一昔前の軽トラックだとターボチャージャーを搭載するモデルが販売されていました。最近ではNA(自然吸気)エンジン搭載モデルが大体数を占めています。
■デザイン
スズキ キャリイ
今回はデザインも比較対象に含みます。
車である以上、自身の嗜好に合うデザインになっているのかどうかは非常に大切なポイントです。軽トラである以上、乗用車以上に用途に適していることは大切ですが、せっかく乗るならデザインが自分好みであることに越したことはありません。
この点を考慮すると、自社生産ではないとしても好きなメーカーから販売されている軽トラックを購入することができるという点は魅力の1つと言えるでしょう。OEMはメーカーとユーザーがwin winになれる車というわけですね!
比較にあたってはフロントフェイスのデザインを参考としています。
■価格
軽トラックの価格帯も比較する上で重要な要素となります。全体的に軽トラックの価格帯はどのメーカーも同じくらいですが、注意したい点は同じ車種の中でもグレードによって価格に大きな差が出ることです。
グレードごとに価格差が異なる要因となっているのは標準装備品の内容になります。特に軽トラの場合、エアコンとパワーステアリングが非装着のグレードが販売されていて、大方、最も安いグレードはエアコンレス・パワーステアリングレスのグレードです。
■安全装備
どのような安全装備が装着されているかも押さえておくべきポイントになります。特に予防安全については各メーカーの先進安全技術が大きく主張されますので、現行の軽トラックの中で出来るだけ安全な車に乗りたいと考えている場合には要チェックです。
現行の軽トラ ハイゼットトラック・キャリイ・アクティトラックを比較!
■車内の居住性の比較
ハイゼットトラック、キャリイ、アクティトラックの車内の居住性についてに関しては、どの車両も開口部を広く設ける工夫や、運転中のドライバーが窮屈感を感じずにゆったりした姿勢で運転に集中することができるような工夫が施されています。
しかしリクライニング機能については例外で、キャリーの派生車種であるスーパーキャリイとハイゼットトラックのジャンボの2つのみ、20~40度くらいの角度へリクライニングすることが可能です。
それ以外の車種・グレードですとリクライニング機能がなく、あってもシートの前後スライド移動のみとなっています。
それ以外の車種・グレードですとリクライニング機能がなく、あってもシートの前後スライド移動のみとなっています。スライド量は100~180mmの間で、シートポジション合わせで困ることはよっぽどなさそうです。
■荷室サイズの比較
荷室サイズを比較すると、次のようになっています。
■ハイゼットトラック
荷台長1,940mm(ジャンボグレードは1,650mm) or 1,940mm x 荷台幅1,410mm x 荷台高285mm
■キャリイ
荷室長1,940mm x 荷室幅1,410mm x 荷室高290mm
(農繁仕様は1,940mm x 1,405mm x 295mm、スーパーキャリイは1,480mm x 1,410mm x 290mm)
■アクティトラック
荷台長1,940mm x 荷台幅1,410mm x 荷台高290mm
数ミリ単位で見ると細かい違いに気がつきますが、大体はどれも同じような長さに設定されているようです。
■パワートレインの比較
エンジン・燃費
搭載エンジンの最高出力および最大トルクを比較してみましょう。
■ハイゼットトラック
水冷直列3気筒12バルブDOHC、最高出力34kW(46PS)/5,700rpm
(AT車は39kW(53PS)/7,200rpm)
最大トルク60N・m(6.1kgf)/4,000rpm
■キャリイ
R06A型水冷直列3気筒、最高出力37kW(50PS)/5,700rpm
最大トルク63N・m(6.4kg・m)/3,500rpm (スーパーキャリイも同じ)
■アクティトラック
直列3気筒DOHCエンジン、最高出力33kW(45PS)/5,500rpm
最大トルク59N・m(6.0kgf)/5,000rpm
どのエンジンもターボ非装着つまりNAエンジンを採用していることがわかります。キャリーに搭載されているR06A型エンジンが最高出力・最大トルク共にスペックが最も高いです。
車種ごとのカタログ燃費を比較してみると、次の通りです。全てJC08モードでの性能となっております。
■ハイゼットトラック
JC08モード燃費:17.4~21km/L
■キャリイ
JC08モード燃費:17~19.8km/L(スーパーキャリイは15.6km~18.8km/L)
■アクティトラック
JC08モード燃費:16.2~18.4km/L
カタログ値ベースだとハイゼットトラックの燃費性能が最も高く、反対にアクティトラックのそれが最も低いです。ハイゼットトラックについてはリッターあたり21kmのスペックを持つグレードが、3車種の中で唯一存在しています。