VWのワゴンは一味違う!ヴァリアントの世界
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント
実用車メーカーながら、作り出す車すべてに高品質さが感じられ、スマートな高級感まで備えたフォルクスワーゲン。ハッチバック車のゴルフなどは、輸入車としても定番ですよね。
そんなフォルクスワーゲンのラインナップするステーションワゴンが「ヴァリアント」。国産車のステーションワゴンはめっきり減ってしまいましたが、欧州では引き続き人気のある車型として多くのメーカーからラインナップされており、そんな激戦区で戦うヴァリアントは魅力がたっぷりです。
現行ヴァリアントラインナップをご紹介する前に、ヴァリアントの特徴をご紹介します。
■ヴァリアントの特徴:広くて使いやすい荷室
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント 荷室
もちろん、セダンよりも高さがあり、ハッチバックよりも長さのある荷室は、ステーションワゴン全体の美点。
しかし、フォルクスワーゲンのヴァリアントは、広さだけでなく、使いやすさもしっかり考慮が行き届いています。
具体的には、ワイドで低い位置まで開くテールゲートと、荷室フロア面の凹凸の少ないフラットさがヴァリアント全体に維持されているポイント。
特に近年は、キャビンが後端でかなり絞り込まれるSUVなどもあり、荷室幅いっぱいに開く開口部を有しているのは、使い勝手としてポイントが高いですよね。
■ヴァリアントの特徴:伸びやかでエレガントな見た目
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント(欧州仕様新型)
車両前半部はベースとなったセダンやハッチバックと共用していますが、後半部の伸びやかなラインもヴァリアントの特徴。
いたずらにスポーティさを追求してルーフラインを下げたりせず、荷室上部までスッキリと伸びやかなルーフラインは、ボディデザインはヴァリアントがベースだったっけ?と思わせる違和感のなさ、エレガントさがあります。
流行のSUVよりもグッと低めに抑えられたベルトラインやルーフ高は、どんな場所に乗り付けても違和感のないフォーマルさも持ち合わせていますよね。
【2020最新】VW 現行ヴァリアントの全ラインナップまとめ
フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント
ヴァリアントに共通する魅力をご紹介したところで、現行ヴァリアントのラインナップをご紹介します。
コンパクトなゴルフと、プレミアムサイズのパサートの2台と、どちらも魅力がたっぷりです。
■VW ゴルフ ヴァリアント
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント
人気のゴルフにユーティリティ性の高さを加えたのが、ゴルフ ヴァリアントです。
ゴルフ比で全長が310mm伸びていても、全幅は1.8mと、国内の都市部では嬉しい扱いやすさ。それでいてVDA法による荷室容量は、リヤシートを立てたままでも605L、最大では1,620Lもの大容量なので、まるでミニバンのような積載容量を誇ります。
後席が分割可倒式なのはもちろん、アームレスト部にスキーハッチが設けられている点も、欧州車らしい配慮の行き届いたポイント。長さのある荷物を積みながらでも、4人で快適に移動できます。
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント
新たに低燃費でパワフルなクリーンディーゼル「TDI」も選択可能になるなど先進性も忘れないゴルフ。現在、欧州では新型モデルが発表されており、日本での切り替わりもそう遠くないものと思われますが、欧州車はモデル末期でこそ円熟の完成度の高さ。
新型モデルはややアグレッシブなエクステリアになっていますので、より落ち着いたエクステリアを持ち、乗り心地も動力性能も熟成が進んで装備充実の現行モデルを選ばれるのも、幸せなヴァリアントライフの始まりとしてぴったりかもしれませんね。
ゴルフ ヴァリアントは現在、ガソリンエンジン「TSI」とディーゼルエンジン「TDI」のそれぞれにコンフォートライン マイスターとハイライン マイスターが設定されており、計4グレード。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,575mm×1,800mm×1,485mm | |
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ホイールベース | 2,635mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,490kg | |
燃費 | WLTCモード:17.7km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ 1,968cc | |
エンジン最高出力 | 110kW(150PS)/3,500-4,000rpm | |
エンジン最大トルク | 340N・m(34.7kg・m)/1,750-3,000rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 7速DCT | |
新車価格 | 3,744,546円(消費税抜き) |
■VW ゴルフ R ヴァリアント
フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント
ゴルフにも設定されているトップグレード、「R」のヴァリアント版が、ゴルフ R ヴァリアントです。
最高出力300PS超えというホットモデルに、実用性も文句なしのヴァリアントを設定するところは、フォルクスワーゲンも洒落がきいていますよね。
無論、パワートレインやサスペンションはRの名に恥じない本気仕様。ゴルフ ヴァリアントでは選べないフルタイム四輪駆動システム「4MOTION」をはじめ、もはやスポーツカーレベルの動力性能を持つ2.0リッター直列4気筒ターボエンジン支える電子制御は、ゴルフ Rともども高評価を得ています。
フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント
エクステリアでも、Rらしい特別装備が前後左右に散りばめられていながら、フォルクスワーゲンらしくド派手な仕上がりにしていないところが好感が持てますね。
エアロパーツ以外では、4本出しのマフラーが特別仕様であることをアピールしますが、ゴルフ ヴァリアント同様のエレガントさも失っていません。
追加された性能の分、お値段が上がってしまうことだけが唯一の欠点と思えるような完成度のゴルフ R ヴァリアントは、シリーズのトップモデルに相応しい実力の持ち主です。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,595mm×1,800mm×1,465mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,635mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,570kg | |
燃費 | JC08モード:13.0km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ターボ 1,984cc | |
エンジン最高出力 | 228kW(310PS)/5,500-6,500rpm | |
エンジン最大トルク | 400N・m(40.8kg・m)/2,000-5,400rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(フルタイム4WD) | |
トランスミッション | 7速DCT | |
新車価格 | 5,462,728円(消費税抜き) |
■VW パサート ヴァリアント
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント
ゴルフよりも大柄で、室内の余裕はリムジンを思わせるような高級セダン「パサート」をベースにしたステーションワゴンが、パサート ヴァリアント。
やや腰高な印象もあるゴルフ ヴァリアントに比べ、より伸びやかで高級感のあるパサート ヴァリアントのエクステリアは、見た目買いできそうほど魅力的なものです。
フロントグリルとヘッドライトが一体化され、かなりワイド感が強調されたフロント部の表情は、メッキパーツの程よい配置も相まって、ギラついていないのに存在感がある、ライバルメーカーのプレミアムカーとは一線を画す仕上がりになっています。
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント
もちろん、パサート セダンで高評価を得ている後席の余裕はそのまま。VDA法による荷室容量に至っては、後席を立てたままで650L、最大で1,780Lという大容量が確保されています。
全高が低くスリークな印象のエクステリアからは想像のつかない広大さですよね。
パサート ヴァリアントも、ゴルフと同じくクリーンディーゼル「TDI」を選べようになったこともポイントです。ゴルフよりもハイパワーなエンジンになっているので、余裕たっぷりのボディでも軽々動かす太いトルクが嬉しいですね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,775mm×1,830mm×1,510mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,790mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,610kg | |
燃費 | JC08モード:20.6km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ 1,968cc | |
エンジン最高出力 | 140kW(190PS)/3,500-4,000rpm | |
エンジン最大トルク | 400N・m(40.8kgf・m)/1,900-3,300rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 6速DCT | |
新車価格 | 4,839,091円(消費税抜き) |
変わり種ヴァリアントも!ゴルフ&パサート オールトラック
フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック
ゴルフとパサートのヴァリアントをベースに、無塗装樹脂のアンダーガードや大きめのタイヤでSUV感覚のスタイリッシュさが与えられたのが、「オールトラック」です。
ゴルフにおいては、ヴァリアント比で最低地上高を25mm高めるなど、バンパー類だけの違いにとどまらない本格感のあるオールトラックは、フルタイム四輪駆動システムの4MOTIONを搭載。
舗装路上での良好な運動性能を維持しつつ、ちょっと荒れた道でも冒険できそうな、アクティブ感が魅力的です。
フォルクスワーゲン パサート オールトラック
SUVは流行しているから人とカブってしまってイヤ、でも四輪駆動と走破性は捨てられない。そんなあなたにはオールトラックがぴったりでしょう。
SUVに感じるどこまでも乗っていけそうな自由さを備えつつ、乗用車然としたスマートさもある、贅沢な仕上がりはご近所でも話題になること必至。
もちろん室内空間や荷室容量はヴァリアント同様たっぷりとしていますので、アクティビティ用の荷物も余すことなく詰め込めます。欧州で人気のあることもうなづける、魅力がたっぷりなオールトラックです。
近い将来見れるかも?海外発表の新型ヴァリアントたち
■新型ゴルフ ヴァリアント
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント(欧州仕様新型)
2020年9月に発表された新型ゴルフ ヴァリアントは、2019年に発売されているゴルフの勢いを感じさせる新しさがありますね。
新型ゴルフ同様に低く構えたフロントエンドは新たなフォルクスワーゲンのデザイン言語を表現していますし、現行モデルよりも大胆に寝かされたリヤウィンドウなどは、ステーションワゴンながらクーペのようなスポーティさを感じさせます。
フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント(欧州仕様新型)
全長とホイールベースを66mmずつ伸ばしたことで、やや寸詰まり感もあったデザインはより伸びやかに進化。
無論デザインだけに効果があったのではなく、ホイールベースを広げたことで室内長も48mm長くなるなど、後席の余裕はより一層広々としたものになりました。
新たにハンズフリーの電動テールゲートも用意されるなど現行車らしい装備の更新もされた、大人気となること間違いなしの新型ゴルフ ヴァリアント。日本への早期の導入をお願いしたいところですね。
■新型パサート ヴァリアント GTE
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント GTE(欧州仕様新型)
こちらはゴルフと違ってマイナーチェンジモデルの発表が欧州でされているパサート。
パサートラインナップの全体を通して改良が入っているのですが、現在日本市場で販売されていない「GTE」グレードの再度の日本導入に期待がかかります。
プラグインハイブリッドモデルとなるGTEは、伝説のスポーツグレード「GTI」を彷彿とさせるそのグレード名からも分かる通り、エコ一辺倒ではなく、ハイブリッド搭載でパワフルな走りも実現してしまおうという贅沢なグレード。
新たにリチウムイオンバッテリーの容量を増加させ、EV走行距離をWLTPモードで56kmまで延長しています。
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント GTE(欧州仕様新型)
普段お車を運転される距離を考えれば、50km以上のEV走行レンジはかなり魅力的ですね。
エンジンを全く使わずに済む場合もかなり多そうに思われ、パサートの上質な内外装と走行性能を楽しみながら究極のエコドライブができそうです。
内外装の更新ももちろん行われ、よりアグレッシブで先進感のある仕上がりに進化しています。それでいて全体を見ればエレガントさも感じられるのは、さすがフォルクスワーゲンのデザイン力といったところでしょう。
■新型アルテオン シューティングブレーク
フォルクスワーゲン アルテオン シューティングブレーク(欧州仕様)
こちらはヴァリアントではないのですが、気になる新車として特別にご紹介。日本でも販売されている流麗なフラッグシップ「アルテオン」に、シューティングブレークというステーションワゴン仕様が欧州で発表されています。
シューティングブレークとは、元々は狩猟用の馬車全般、後世においては狩猟用などに用いられるしばしば超高級車をベースとしてステーションワゴンボディに仕立てられた車のことを指すようになりました。
その名に恥じない流麗ボディを持つアルテオン シューティングブレークは、ヴァリアントとは別世界。大胆に寝かされたリヤガラスや、後端に迫るほど絞り込まれてリヤフェンダーを強調したキャビンなど、エレガントではありつつもかなりのスポーティさです。
フォルクスワーゲン アルテオン シューティングブレーク(欧州仕様)
それでいて、VDA法での荷室容量は後席を立てたままでも565L、最大で1,632Lを確保。こんな妖艶な見た目ながら実用性をしっかり担保しているあたりは、さすがのフォルクスワーゲンマジックといった印象です。
日本でもそのルックスと充実装備で人気を博しているアルテオンですので、より優れた積載能力や後席ヘッドルームが加われば、もはや人気は約束されているといってもよいでしょう。
2020年7月に欧州での予約受注が開始されるなど、日本に導入されるとしてもまだかなり時間がかかりそう、そもそも導入されるかどうかも不明という、アルテオン シューティングブレーク。
日本の路上でもぜひお目にかかりたいものですね。
まとめ
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント
フォルクスワーゲンの特徴的なステーションワゴンラインナップ、「ヴァリアント」をご紹介してきました。
フォルクスワーゲンの車種全般に言えることですが、ライバル車と比べて「いいモノ」感が高いデザインは、ヴァリアントでも健在。
それでいて使い勝手はヘタなSUVを上回る実用性があり、どなたにもお勧めできる高度な仕上がりですね。