車の持ち方、変わってきてます!カーリースやカーシェアが話題
車に出費はつきもの
自動車って、高い買い物ですよね。一般的に考えれば、人生の中でも高額な買い物の一つとなることも多いでしょう。近年では装備の充実に伴って車両価格もだんだん高額化していく流れも見られるほか、自動車関連の新たな課税の噂も聞かれるなど、車を所有するということに対するハードルがどんどん上がってしまっている印象もあります。
そこで広がりを見せているのが、これまでのように車を「買う」といった所有形態とは異なった新たな車の利用方法。
その中でも今回は、カーリースとカーシェアに絞って特徴のご紹介をするとともに、どんな人がどのサービスに向いているのかをご紹介していきます。
カーリースってなに? 月々の支払額を抑えられる買い方
《画像提供:ナイル》マイカー賃貸カルモ
最近、広告などで「コミコミ月々1万円から!」といったようなちょっと驚いてしまうような条件でカーリースが宣伝されていることも多く、気になっている方も多いのではないでしょうか。
カーリースというサービスは、リース会社が車の所有者となり、使用する人はリース料金を払ってその車を利用するサービスのこと。
サービス内容によりますが、車検費用や税金などを全てセットにした総額からリース料金を払っていく場合もあり、この場合車にかかる出費は基本的にリース料金のみに抑えることも可能となっています。
■頭金なしで乗れる!保険・税金もコミコミのプランも
ホンダ N-BOX
リース会社のサービス内容にもよりますが、頭金が必要のないプランが多く、さらに一般的なローンが車両価格丸ごとを分割して支払いしていくのに対し、リースでは契約期間終了後の下取り価格分が定められている「残価設定」がされていることが多いので、月々の支払い額を低く抑えられる点がポイントです。
車の中でも特に新車は支払額がドンと大きくなってしまうもの。頭金などを用意することなく、気軽に新車が選べてしまう点は、カーリースの大きなメリットの一つです。
また、こちらもリース会社のサービス次第ではありますが、自賠責保険料や自動車税などは月々のリース料金に含まれているプランも多く、その場合毎年5月に急にやってくる高額な自動車税の支払いにびっくりしてしまうこともなさそう。
車検代車検代が含まれているリースプランもありますので、5年、7年と長く乗りたい場合でも、まとまった出費を覚悟する必要なく、安心してカーライフが送れそうな点は、リースの嬉しいポイントでしょう。
■支払い総額で見ると意外と負担大?途中解約が難しいことも
トヨタ RAV4
「コミコミ1万円!」の広告でわかる通り、月々の支払いは低めに抑えられるカーリースですが、支払い総額でみるとあまりお得にならなかったケースもしばしば見られるようです。
それは下取り時の残価設定が当初から定められているため。この価格はリース会社が独自に設定するものなので、たとえばリース契約と同じ期間乗った車を下取りに出した場合、残価設定よりも高い下取り価格がついてしまう場合もあるようです。
また、広告に小さくボーナス併用払いの契約条件が追記されていたり、契約満了後に車両状態が悪い場合は追加で清算が必要になる場合もあるなど、総額では意外とお得でない場合もあるようです。
また、残価設定がされているだけに、契約満了後にあまりに過走行車となっていては価値が落ちてしまうため、年間の走行距離が定められているカーリースも多くあります。その場合、契約満了時にはオーバーした走行距離分の精算が必要になることも。
これらは一般的な車の買い方では気にしなくてもよい部分ですが、プラン次第ではカーリース独特の制限部分になります。
さらに、契約時に何年乗り続けるのかを定めてから契約するカーリースですが、数年経ってからどうしても乗り換えたい車が出たから手放したい!といった場合や、不幸にも交通事故で廃車になってしまったといった場合では、カーリース契約の途中解約が必要になります。
この際、残りのリース料金をまとめて支払う必要が出てくるのと同時に、違約金として高額な費用がかかってくるカーリースプランもあり、思い通りに車を処分できないケースも考えられます。
カーシェアってなに? 車を使う時間分だけ格安に借りられる
タイムズカーシェア
カーシェアは、コインパーキングなどに駐車されているシェア車両を登録者で共有し、使いたい時に予約することで利用できるシステムです。
たまには自動車を利用したいけど、駐車場代や税金・保険料などの負担が大きくて… という方にこそぴったりなカーシェアは、利用したい時間帯と利用したいカーシェアステーション、それに車種を選ぶだけで、格安に車を利用できる点がポイントでしょう。
■10分単位で借りられるものも!保険料・ガソリン代込みで始めやすい
気軽に利用できるカーシェア
カーシェアの気軽に利用できるポイントは、会員登録を先に済ませておくことで、スマホなどから希望するシェア車両が簡単に予約できる点が大きいでしょう。
利用時間が10分や15分と短時間から設定されていることがほとんどで、ちょっと大きな荷物をそこまで運びたいだけ!といったシチュエーションでも気軽にお得に利用ができます。
さらに請求される料金は「利用時間」の分だけとなるので、予定より早く返却できちゃった、という場合は料金がお得になる点もレンタカーよりも柔軟な部分ですね。
また、車の利用開始も利用終了もセルフサービスで、基本的には借りたカーシェアステーションに戻すだけ。レンタカー利用時のように営業所に赴いて書類にサインしたり、プランの説明を受けたりといった手間がなく、思い立ったらすぐに利用することができます。
また地域にもよりますが、カーシェアステーションは非常にきめ細やかに配置されていることが多く、レンタカーの営業所が遠くて行くのが大変!といった心配もカーシェアでは無用です。徒歩圏内で複数ステーションが配置されている場合もあるので、車両の確保もしやすい点は嬉しいポイントですね。
■車両ラインナップも意外と豊富!憧れの輸入車も乗れちゃう?!
ジャガー I-PACE
もちろんお近くのステーションの状況次第ではありますが、カーシェアとして利用できる車種は意外とバリエーションが豊富。ちょっとした試乗感覚で借りてみるのも面白そうですね。
レンタカーでもお馴染みの軽自動車なら、狭い道でも楽々運転ができますし、近年の軽自動車は室内空間も余裕たっぷり。動力性能もしっかり確保されていますので、都市部だけでなく、高速道路を使った移動などでも安心となっています。
またもう少し大きなコンパクトカークラスのシェア車両も充実しています。カーシェア利用中のガソリン代は利用料金に含まれている場合もあり低燃費のメリットは薄いとはいえ、ハイブリッド車が配備されているステーションもありますし、なんと最新の燃料電池車まで配備されているステーションも少ないながら存在するので、未来的なパワートレインをしっかり体験することもできますね。
また、大人数で移動する際にゆとりが嬉しいミニバンも配備されているステーションもあるほか、サービスによってはなんとスポーツカーや輸入車まで利用できるものも。
もちろん利用料金はそれらの大型車種・高級車種では高めになってしまいますが、それでも実際に購入することを考えれば破格の安さで利用ができますし、乗り換え検討中の車をじっくり試乗したい…なんてケースにもぴったりかもしれませんね。
カーリースとカーシェア、あなたにぴったりなのはどっち?
■自分の愛車として選ぶなら、カーリース!色やオプションも選べます
トヨタ ヴォクシー G's
車を持つ、ということを実現するためには、カーシェアでは役不足でしょう。カーリースならお好みの車両を自ら厳選することができますし、お好きなエクステリアカラーやインテリアカラーを選んだり、先進のメーカーオプションやエアロパーツをオプション装着したり、なんていう新車選びの醍醐味を味わうことができます。
ご自分で駐車場を確保して保管しておく必要があることはネックではありますが、それでもカーリースなら自賠責保険や自動車税などがリース代に含まれていることも多く、月々の支払いを安定させることも可能。
カーライフにありがちなとっさの大出費を抑えられる点は、これまでの所有形態よりも安心感のある部分かもしれませんね。
■たまにしか乗らないなら、断然カーシェア!駐車場代も浮いちゃう
カーシェアサービス「Patto」
毎日通勤で乗るわけではなく、たまに大きな荷物を運んだりするだけであったり、雨の日のお買い物にしか車は使わない、といった利用シーンであれば、カーリースによって車を持つことは不必要な負担と言えるかもしれません。
カーシェアは10分単位から借りられるサービスもありますし、近くにシェアステーションがあるならもはや自家用車のように便利に使うことも可能でしょう。
さらに、リース期間が柔軟には変更できないカーリースと異なり、シェア車両は予約時の気分で変更することだって可能。ステーションの在庫にもよりますが、街中でのお買い物には軽自動車を、家族旅行にはミニバンをと、状況に応じた車の選択ができる点は、カーシェアの大きな強みです。
意外と忘れがち? レンタカーのメリットも見逃せない!
ニッポンレンタカー北海道
特にカーシェアと競合する立場となるレンタカーは、カーシェアほど柔軟に借りたり返却したりができない分、独自の便利さもある点は覚えておきたいところです。
まず、現状のカーシェアでは利用不可能な片道利用、乗り捨て利用が可能な営業所も多いということ。これは出発地と目的地が同じとは限らない自動車を利用した旅行などにぴったりの利用方法で、出発地まで戻ってくる時間をなくすことで、有意義に観光ができそうですよね。
また空港や駅などからの交通手段としても片道利用が可能なら使いやすく、ミニバンタイプのレンタカーを借りればタクシーでは乗り切れないような人数で利用することも可能。この点は、カーシェアでは実現しにくい柔軟な利用が可能な部分となっています。
また、長期間まとまって利用する場合にはレンタカーの方が割安になる場合もあります。カーシェアはこまめに借りたり返したりを繰り返すことが原則なサービスですので、長期間利用は料金的に優遇されていないほか、いざ借りようとしても長期間借りられるシェア車両の在庫が近場になかったりすることも。
利用シーンに応じて、カーシェアとレンタカーを賢く使い分けていきたいところですね。
まとめ
スズキ ソリオ
近年存在感がどんどん増しているカーリースとカーシェアについてご紹介してきました。
車に愛着はあるけど、駐車場代とか諸費用を考えると醒めちゃうんだよな、なんてお思いの方にはどちらもぴったりのサービスとなっていることがお分かりいただけたかと思います。どちらがご自分にぴったりなのか、どちらも向いていないのか、しっかりと検討された上で利用してみては。