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アルカンターラとは何?どこがそんなにすごいの?

アルカンターラとは何?どこがそんなにすごいの?

人工皮革の高級素材として知られるアルカンターラ。人工皮革と聞くと、なんとなく天然皮革よりも劣っているように思われるかもしれません。ですが、アルカンターラは違います。むしろ、天然皮革よりも優れている点もあるんです。当記事ではアルカンターラがいったいどんな生地なのか紹介していきます。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


アルカンターラとは?

車画像

アルカンターラとは、人工皮革スエードのこと

アルカンターラ(Alcantara)とは、アルカンターラ社によって製造されている人工皮革のブランド名です。

アルカンターラ社は、日本の大手化学会社「東レ」とイタリア最大の工業会社「ENI」の合弁によって1972年に設立されました。
つまり、日本の会社が関わっているということですね。

そもそも、このアルカンターラの生みの親と言えるのは東レで、1970年に東レが開発した独自の技術がそのベースとなっています。
その技術が、東レとENIによって起こされた合弁事業によって製品化されたわけです。

現在ではイタリアのアルカンターラ社で製造された製品が「アルカンターラ」、日本で製造された製品は「エクセーヌ(現在はウルトラスエード)」と呼ばれています。

「アルカンターラ」言葉の由来は?

ちなみに、アルカンターラという名はAl Qantara (アル・カンタラ)というアラビア語をイタリア語風に変化させたものです。

Al Qantaraは「橋を架ける」という動詞から派生した名詞で、「石橋」あるいは「アーチ橋」といった意味があり、そこから生まれたアルカンターラというブランド名には、日伊両国の友好の架け橋であり、かつ東洋と西洋の文化の架け橋でありたいという気持ちが込められています。

アルカンターラの特徴

フェラーリ 458スペチアーレに採用されたチャコールグレーのアルカンターラ素材

続いて、アルカンターラの特徴について見ていきましょう。

アルカンターラの素材は、ポリエステルがおよそ68%、ポリウレタンがおよそ32%となっていて、色のバリエーションが豊富・水をはじきやすい・燃えにくい・通気性が高い・耐久性に優れるといった特徴を備えています。

これまで高級車の内装素材と言えば、質感や外観において高級感を醸し出す本革が多く使われてきました。

しかし本革には、蒸れやすい・熱を持ちやすい・耐久性でやや難があるといった短所があります。
その点、アルカンターラはこれらの点で本革よりも優れていることに加え、本革と極めて似た質感や外観を備えていることから、高級感の点でも本革に劣りません。

アルカンターラ最大の魅力は高級感

フェラーリ画像

アルカンターラ生地の最大の魅力は、スエードに似たデザイン性と高級感にあります。

スエードは確かに高級感があり、デザイン性の高い素材ですが、耐久性が低いこと、また汚れやすいので自動車への採用は見送られてきました。

そこで、重宝されるのがこのアルカンターラなのです。

アルカンターラの高級感あふれる質感や、扱いやすさといった理由から、メルセデスベンツやBMWといった高級車メーカーに採用されることが増えてきています。

アルカンターラは本革よりも汚れにくい

また、本革との比較で言えば、アルカンターラには「汚れにくい」という長所もあります。

ただし、汚れにくいと言っても、長期間乗っているとどうしても汚れは生じてしまうものです。
特に、ステアリングの部分は手垢や汗などの蓄積により時間の経過に伴って汚れが付きやすかったりします。

ですが、アルカンターラは極めて細い繊維で作られているため、汚れているからと言って強くこすったりするのは禁物です。

汚れが付着してしまった場合には、ぬるま湯やアルカンターラ専用あるいは対応のクリーナーなどを使用して、丁寧に落とすようにしたほうが良いでしょう。

アルカンターラは動物に優しい

ここまではアルカンターラの品質的な特徴について見てきましたが、それ以外にもメリットは存在します。

先ほども説明したように、アルカンターラはポリエステルやポリウレタンといった化学繊維からできています。
これらの化学繊維は、石油や天然ガスなどから作られます。
つまり、本革と違って、生きている動物を傷つけずに製造することができるということです。

昨今では動物に配慮した製造が注目されるようになってきていることから、この点もアルカンターラの大きなメリットと言えるでしょう。

アルカンターラを採用している車メーカー

ランチア テーマ画像

ランチア テーマ(1984年)

次に、アルカンターラを採用している自動車メーカーについて見てみましょう。
自動車の内装用素材として本格的にアルカンターラを使用したのは、イタリアの「ランチア」が最初です。

「ランチア」は1984年の導入以降、全車種にアルカンターラを採用、その知名度を高めることに大きく貢献しました。

ランボルギーニ ヴェネーノにもアルカンターラは採用されました

ランボルギーニ画像

ランボルギーニ画像

その後、アルカンターラはメルセデスベンツ、BMW、ランボルギーニ、アストンマーチン、マセラティなど世界の高級車メーカーで採用されるようになっています。
最近では、生産台数わずか63台というランボルギーニの限定モデル「シアン FKP37」にアルカンターラが採用されたことでも話題になりました。

ランボルギーニ・シアン FKP 37

ランボルギーニ画像

ランボルギーニ画像

また、日本車でもレクサスLS特別仕様車の天井部分の素材にアルカンターラが採用されているほか、フェアレディZやロードスターRS、トヨタ86、スバルの上級グレードなど高級モデルを中心にアルカンターラが採用されています。

レクサス画像

ロードスター画像

まとめ

ランボルギーニ画像

アルカンターラはそのハイレベルな品質的特徴から、高級車向けの内装材として使用されることが増えてきました。

また、先ほども触れたように、最近では動物に配慮した製造が重要視されるようになってきており、自動車メーカーの中でも特に高級なブランドでは、内装に動物由来の素材を使用しない企業が増えてきています。

この傾向は今後も強まると考えられ、ハイレベルな品質的特徴とも合わせて、アルカンターラへの需要は今後さらに高まると予想されます。

みなさんも、車を選ぶときは、一度シートについても気にしてみてはいかがでしょうか。

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