雪道走行に向いている車の特徴
Audi R8 SpyderとAudi Q2
雪道を快適走行するにはタイヤ選びも重要ですが、同じように車選びでも大きく左右されます。
では、どういった車を選べばいいのでしょうか?3つのポイントについて見ていきましょう。
■車高(最低地上高)が高い車
最低地上高が高いと、それだけ雪による車体への影響が小さいと言うことになります。
例えば、降雪により積もった雪が車体を浮かせてしまうといった影響を、車高が高ければ高いほど受けにくくなります。
また、雪がエンジン部に入りにくいため、雪によるエンジン部へのダメージも受けにくくなります。
■車重が軽い車
車重が軽いということは、それだけブレーキが効きやすいと言うことです。
雪道でのブレーキは、ささいな操作でも大きな影響を受けやすくなります。スリップした際にも、軽い車の方がリカバリーしやすいということは覚えておいた方が良いでしょう。
■4WDである
雪道やアイスバーンの道を走行する際には、四駆の自動車の方が二駆の自動車より断然安全性が高まります。また、四駆でもパートタイム四駆の車より、フルタイム四駆の車の方が雪道には適しています。
常時四輪が駆動しているフルタイム四駆の車は、前輪だけが駆動している車や後輪のみが駆動している車と比較してみれば、その走行性能は歴然とした差があります。
雪道を走行する機会の多い方は、フルタイム四駆の車を選択することをおすすめします。
雪道に強いおすすめの車種5選
■1. スズキ ジムニー
スズキ ジムニー(AT車)新型
ジムニーは、60年代の軍用車両をイメージさせる伝統的な構造を引き継いでいる車で、まさに小型・軽量を体現している四輪駆動車です。
ジムニーの一番の魅力は堅牢さと耐久性の良さ。長年培われたラダーフレーム(はしご型フレーム)と前後共に採用され続けている固定式サスペンションなどは、もはやジムニーの代名詞となっています。
クロスカントリー競技のベース車両としても使用されている事などを見ても、悪路での走行性能・雪道走行の性能が高い事は明らかです。
2. スバル XV
スバル XVアドバンス
スバルXVは、スバルインプレッサからの派生モデルです。
スバルXVの最低地上高は200mmに設定されているため、少々の降雪ならばあまり気にすることなく走行が可能です。それ以外にもスバルがアウトバックやフォレスターで実績を十分積んでいる、オフロード走行モードのX-MODEがスバルXVにも採用しています。
このX-MODEをオンにして走行すれば、走行路面の状況を車が独自に判断し見合ったエンジンのパワーや変速タイミング、4輪への駆動力配分などを全て電子制御して、安定した走行が雪道でも得られます。
スバルXVは、X-MODEの採用により悪路・舗装路面などにとどまらず、冬の雪道にも強い車となっています。
■3. 三菱 デリカ ディーファイブ
三菱 デリカD:5 新型
デリカ ディーファイブは、三菱重工が製造するオールラウンダーミニバンをコンセプトにしたSUV・ミニバン型の乗用車です。
デリカ ディーファイブに採用された技術の最も特徴的なことは、電子制御4WDが採用されているということです。
燃料の燃焼効率の最も良い「2WD走行モード」、路面状況や走行条件により変化する事で前輪並び後輪に駆動力を変化させ、適切な動力を配分させる「4WDオートモード」、悪路走破性が最も得られる「4WDロックモード」をダイヤル式のドライブモードセレクターで走行中でも切り替えができることで、画期的な走行性能を得ています。
この電子制御式4WDシステムは、雪道やアイスバーンでの走行にも威力を遺憾なく発揮し、デリカ ディーファイブも冬の雪道に強い車と呼ばれています。
■4. マツダ CX-3
マツダCX-30
言わずと知れた、マツダのコンパクトクロスオーバーSUVです。
このCX-3はマツダの提唱する「SKYACTIV TECHNOLOGY」とデザインテーマ「魂動ーSoul of Motion」をコンセプトに製造された車種の第5弾にあたります。
この車の一番の特徴は、やはりマツダ自慢の4WDシステム「i-ACTIV AWD」の採用でしょう。このi-ACTIV AWDシステムはCX-5にすでに採用されていましたが、CX-3にも搭載されています。
マツダの4WDの性能は冬の降雪やアイスバーンといった路面状況にも十分威力を発揮します。
■5. ホンダ ヴェゼル
ホンダ ヴェゼル ツーリング モデューロX ホンダセンシング
ホンダ ヴェゼルは、3代目フィットをベースにホンダの小型SUVとして開発されました。ラインナップにはもちろん4WDもあります。
ホンダの4WDであるリアルタイム4WDは、電子制御により後輪の駆動力を緻密かつ素早くコントロールすることが特徴です。
一般的には雪道走行に適している車の最低地上高は150mm以上とされていますが、ヴェゼルは185mmと十分な地上高となっています。
また、燃費も非常に気にかかるところではありますが、ヴェゼルは4WDで19.6km/L、さらにハイブリッドであれば4WDでも23.2km/Lと、SUVの中でもトップクラスの低燃費となっています。
雪道を走る際に覚えておいてほしいこと
スバル フォレスター アドバンス(e-BOXER)
雪道を走る際には、心構えが必要です。
運転中、事故を起こしたり、巻き込まれないためにも事前に心の準備もしておきましょう。
■雪道で車を走らせる時はタイヤを履き替える
当たり前のことですが、冬の路面を走行する際には、よほど温暖な地方を除きタイヤをサマータイヤからスノータイヤに履き替えましょう。
路面状況によっては、スノータイヤやタイヤチェーンを装着していないと走行禁止といった場面に遭遇することもありますので、事前にスノータイヤに履き替えておく、タイヤチェーンを車に積んでおくといった対策をとりましょう。
いくら車が雪道に強い車種であっても、タイヤが雪道に適していないタイヤであれば全く意味がなくなってしまいますので、冬の走行にはタイヤ選びにも気をつけましょう。
■雪道に車がはまってしまったら
焦らず冷静に対処しよう
雪道で動けなくなる”スタックした状態”にも、切り抜ける方法はあります。まずは落ち着いて対処しましょう。
スタックには大きく分けて3つのパターンがあります。いずれの場合も冷静な対処が必要です。慌ててむやみにアクセルを踏み続けることで結果的に状況を悪化させてしまうこともあります。その場に応じた対応を知識として覚えておきましょう。
また、いずれの場合も急制動は行わず、周囲の助教に十分気を配りながら行いましょう。
凍結路面でタイヤが空転して前に全く進まない場合
・少しでも動ける場合は、少し前進しては、少し後退するという事を繰り返し、雪を踏み固めて脱出する。
・タイヤと雪の間に木の板やフロアマットなどを敷いて、脱出する。(※この場合は、急発進すると板やフロアマットを弾き飛ばしてしまう可能性もありますので、周囲の状況に十分に配慮し、ゆっくり発進しましょう。)
・タイヤや路面に砂をかけ、その上を走って脱出する。
・後輪駆動者なら後部席に、前輪駆動車なら助手席に人に乗ってもらい、グリップ力を増して脱出する。
・同乗者や周囲の人に助けを求め、車を押してもらう。
新雪に突っ込んでしまいタイヤが空転してしまう場合
・タイヤの周りの雪をかき出したり、踏み固めてから脱出する。
車の底が雪に乗り上げてしまいタイヤが空転している場合
・周囲の車に助けを求め、車を牽引してもらう。
まとめ
雪道でも快適な走行を!
セダンやミニバンが雪道を走れないと言う事ではなく、適切なタイヤと基本的な雪道の運転技術さえ覚えておけば走行は可能です。しかしながら、冬に降雪がある地域の方には、やはり雪道に強い車に乗ることをおすすめします。
SUV車のように舗装路から悪路・雪道などを走行することを得意とする車種も存在します。安全な雪道走行には、その状況を得意とする車に乗ることが安全運転の第一歩なのではないでしょうか。